ヒメコンドル (Turkey Vultures)
大きな黒い鳥が翼を広げて野山の上空を滑空する姿にお気付きになられたと思います。これはヒメコンドルと呼ばれる鳥で、時に「ハゲワシ」とも呼ばれます。ヒメコンドルは、車に轢かれた動物の死骸を含め、動物のクリーニングとリサイクルと
いう生態系でも重要な役割を果たしています。ヒメコンドルはその役割に適応させた身体機能を持ち、英語名の「ターキーヴァルチャー」の由来でもある七面鳥の頭のように羽のない赤い頭部が特徴です。かぎ状に曲がったくちばしは、動物の死骸を引き裂くのに役立ちます。ヒメコンドルは狩りをしないため、タカやワシと比べて足の力は弱いとされています。翼を羽ばたかせることなく、優雅に空を舞うヒメコンドルを眺めてみてください。ヒメコンドルは上昇気流または「熱気泡」を利用して滑空するので、太陽光によって地表と大気が温まる午前中半ば頃まで飛びません。これと同じように、ペリカンも海岸の熱気泡を利用して雲の上へと舞い上がり、ゆっくりと漂いながら下降します。ワシとは異なり、ヒメコンドルは翼を水平状態よりも高い「Vの字」にして飛ぶため飛行中の見分けが簡単です。鳴禽類のように見た目が美しいとは言えないヒメコンドルですが、自然のお掃除当番として重要な役割を果たしています。